バトン

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   友達が死んだ。  大学四年生の冬、卒業に向けて研究活動に勤しんでいた僕は、地元の友達である圭太(けいた)から連絡を貰った。  ちょうど学生室でパソコン作業をしている時に、画面にSNSの通知が届いた。 「智樹(ともき)が死んだ」  その文面を読んだときは、何かの冗談なのだろうと思った。  ゲームか何かをやっていて、ふざけた画像も送られてくるのだろうと思っていた。  しかし、そんなことはなかった。 「交通事故らしい。通夜は今晩行われるらしいんだけど、来れるか? 急な連絡で悪い、俺も今日知ったばっかりなんだ」  あまりに思いがけない訃報に困惑を隠せず、動揺した。  智樹が亡くなったという事実が非現実的なことに感じられた。  その一方で、頭ではその文面の意味を理解はしていた。  感情が追い付いてきていないようだった。  とりあえず僕は、分かったすぐにそっちに帰る、とだけ連絡して学校を後にした。  僕は、急遽自宅に帰ってパッキングを済ませ、駅へと向かった。  そして、地元へと向かう新幹線へ乗り込んだ。  携帯を開くと、裕司(ゆうじ)からも圭太と同じような内容で連絡が来ていた。  こんなに早く友達を亡くすとは思わなかった。  あの智樹が死んでしまうなんて……。
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