1人が本棚に入れています
本棚に追加
こんなこともあった。
全国出場が決まった日のことだ。
全国に出場できたことが嬉しく、僕はきっかけをくれた智樹に感謝を伝えた。
「お前がいたからリレーを続けて、全国まで進めた。お前があの時リレーをやろうって引き留めてくれなかったら、リレーやめてた。もしかしたら、高校では陸上もやってなかったかもしれない。ありがとう」
智樹は僕の急な発言に照れくさそうに笑って言った。
「俺も、皆がいたから陸上を続けられた。一緒にリレーで走ってくれてありがとう。四人でここまで来れてよかった」
その言葉に感化されたのか、裕司が涙を流していた。
「俺も……よかった。ありがとう……ありがとう……」
泣きじゃくりながら裕司がそう言うと、圭太も泣き出したんだったな。
もう四年以上前のことなのに、つい最近のことのように覚えている。中学、高校と四人で過ごせてよかった。
僕らは高校を卒業してからも帰省した度に会って、遊んだりもした。今も帰省していることだし、智樹とかに連絡とって遊ばないと。
あっ……智樹いないんだった……。
最初のコメントを投稿しよう!