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「それで、その後は警察に引き渡したんですか」
調査報告書を作りながら小杉がその後の経緯を聞いて呟く。
「一応殺人未遂と誘拐、あと部屋に塗りたくった血は動物のだったから動物愛護管理法違反か。女子高生の証言もあって女は逮捕された。まあ頭がおかしいと思われてるくさい、つーか実際オツムがカワイソウではあったが」
わからないことだらけでごたついたが、事件はあっさり片付いた。
まずあの時いた女は中嶋たちのターゲットの妹だった。姉妹そろって陰湿な性格だったようで、姉は嫌いな女への嫌がらせ、妹はオカルトにはまって儀式を試そうとしていた。女子高生は通りすがりだったらしい。
中嶋たちは悲鳴を聞きつけ駆けつけたという事にし、なんとか怪しまれず済んだ。ピッキングツールなど怪しいものは車に置いて窓を叩き割って侵入した偽装工作をしたのが功を奏した。まさか裏口を勝手に開けて入りましたなど言えるはずもない。
姉は警察が来てゴタゴタしている時に帰宅し、パニックになった妹を利用して家宅捜索をさせ姉の嫌がらせの証拠も上がった。中嶋の機転により、姉が妹にオカルトをそそのかしたのではないかという証言でっちあげたところ、警察が「怪しいものは全部調べよう」という事になったのだ。すると別の部屋からは数匹の犬猫の死体が転がっており、部屋を血まみれにするのに使ったものだった。
結局法的措置を取る必要もなく自動的に逮捕となり、依頼人からはとても感謝された。後は弁護士に相談して今後損害賠償を要求するのか考えるとの事だ。
「魔方陣はどうしたんです」
「音もしなくなってただのアートになってた。あの馬鹿姉妹が家に帰ったら床ドンされる毎日になるかと期待したんだけどな」
どうやらノックをしていた当人は絶対に開かない魔方陣を前に諦めてしまったようだ。まあ当然といえば当然なのだが、根性がないというか情けないというか。怖い悪魔のイメージからは程遠いように思える。
「何にせよ仕事はこれで解決、俺今月調子いいからたぶんボーナス出るぞ」
「あ、ご馳走様です」
「誰がおごるっつった」
ちゃっかりしている小杉を睨みながら立ち上がり、「コンビニ行って来る」と言って部屋を出た。
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