恋占い

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「どうでしょうね。むしろそこに名前と生年月日入れることでそこから攻撃対象ロックオンになったりするのかもしれないですね。コイバナをエサに釣って、情報を盗む為に名前を入力させるみたいな? 一度アクセスしちゃえばハッキングできるツールやウィルスもありますし、手段は無限ですよ。あとはそういうサイトが裏で情報売ってるとか」 「そっか、そこが本と違ってネットの怖いところね、リアルタイムで更新し続けるから歯止めがきかない。ちょっとした調査とかの手間を加えれば結果が当たってて当たり前、でも見た人は当たるからって人に教えて広がっていく。さっきサトさんの情報入れちゃったけど大丈夫かな」 「大丈夫でしょ、ここにはプロがたくさんいるし何かあったら私も協力しますよ。つーかサトさんって誕生日イブなんですねえ、最強の矛と盾以上の矛盾を見た気がしますよ」  ぷくくく、と静かに笑えば小杉もそう思うよねーと小さく笑う。すると一華が後ろから声をかけてきた。 『綾さーん、サトちゃん起きてますよー』 「え?」  ドアの前には誰もいないので給湯室を覗くと寝転がったまま中嶋が携帯をいじっている。 「小杉、お前誕生日いつだったっけ」 「ちょっと何してるんですか! 今の話聞いてたなら止めて下さいよ、借金返して貯金やっと貯まってきたんですから!」 「人のこと散々悪く言った罰。あのな、前から気になってたけど人のことぐちゃぐちゃ言う前にテメエの嫁の貰い手探せよ。二十三だろ? あと二年もすりゃ男なんて見向きしなくなるぞ」 『サトちゃんセクハラ!』 「いいんです、私は結婚しないんです。一生独身でいるっておばあちゃんと約束したんです」  給湯室で騒いでいるとやりとりを見に来た荒川は、なにげなく気になったことを口にする。 「小杉さん相変わらず勘いいですね~、なんでサトさんが携帯いじくってんのわかったんですか」  一華の声が聞こえていない荒川には不思議に思ったのだろう。こんな時は慌てず騒がずてきとうに受け流す事にしている。 「身近で何か悪い事してるセンサーがピピっと」 「なんだそりゃ、鬼太郎の妖怪アンテナか」 「あ、私鬼太郎世代じゃないのでわからないです。すみません昭和の話についていけなくて」  わざとらしく言えば中嶋の口元が引きつる。 「鬼太郎は平成も令和もやっとるわ。見てなくても有名で知ってるだろ」
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