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(サイトとのやり取りを見ても恋愛成就しか話してないから話が違うってのはやっぱり告白が失敗したんだろうな。犯罪の片棒担いだ事も思いが叶えば報われたんだろうが。後は振られ方も酷かったのか、傷つくなんてもんじゃない言われ方したら緊張の糸が切れたとしてもおかしくない)
例えそうだったとしても、振った相手に責任は問えない。好きでもない女に告白されて断っただけだ。
自殺の原因の一つは失恋だろうが、直接の理由はレボリューションに利用され、それが人生を狂わされる事態になっていたこと。
両親から聞いた情報をまとめると通っていた学校が進学校である事や、親が医者をやっている事からおそらくこの娘はエリートのお嬢様だったはずだ。文章から見られる性格はどちらかというと大人しい、大人のいう事を聞く「良い子」だったと思われる。一度も挫折や失敗を経験していない年頃だ、ちょっとしたトラブルや枠組みから外れる事態に対処できなかったのだろう。思いつめ、抱え込んでしまうタイプだったのだ。
ひとまず概要はわかった。後は両親に連絡をして、どこまで調査をするのかだ。予想されるのはこのサイトの運営者を見つけて欲しい、というところか。証拠まで集めた状態で警察に言うのかもしれない。
探れるポイントといったら漫画喫茶の利用履歴を探る事と、正直に探偵を名乗って友人達に詳しい話を聞くことだ。口は堅くてもやり方はいくらでもある。娘が一体何に手を貸していたのか、それが犯罪だったと証明できれば警察も動くだろう。娘が犯罪者になっていたという点を両親が受け入れれば、の話だが。
戸波の機転で調べてくれた娘の携帯から見つけた検索履歴からなんとなく予想はつく。キーワードは
「死体」「運ぶ」「罪 どのくらい」
「……ま、そんなもん運ばされてるってわかりゃビビるわな」
どこにどう運んだのかはわからないが、調べれば必ず自殺した少女の指紋が検出されるはずだ。裕福な家の、おそらく世間知らずの女子が活動できる時間や行動範囲などたかが知れている。山の中などではないはずだ、おそらく郊外でさえない都内。そこに行くまではいくらでも目撃者はいるし町には監視カメラが多い。時間をかけて追えば必ず証拠があがる。
この事を両親に秘密にしたって仕方がない。この辺りは正直に話し、今後どういう対応をするのか指示を仰ぐ必要がある。
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