彼女の見る世界

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 仕事終わり、駅に向かうためにいつもの通りを歩いていると、いつもは空いているレンタルスペースの一階で、写真の個展が開かれていた。  特別写真が好きだとか、芸術っぽいものが好きだとか、そういうのではない。写真というワードで、おれは、今でもある人のことを思い出す。この感情は、憧れなのか、尊敬なのか、それとも恋心なのか、今でもわからない。ただ、自然とその人のことを思いだしてしまう。  それは今から6年前‐おれたちがまだ、高校に入学したての時だった。
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