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明日は地元のお祭りとあって、町内全体が朝から活気づいているようだった。お祭り前の前夜祭は、露店に出す店が仕込みをはじめる。
娘の奈津子と妻の真由美は、明日のお祭りを楽しみにしている。
俺は会社から早めに帰り、そのまま祭りの前夜祭を覗く事にした。真由美には残業で遅くなると連絡しておいた。
どうせ、明日は、奈津子の“これがほしい、あれがほしい、それはどこにあるの?”の質問攻めにあうことは間違いない。事前に調べておけば、混雑した人込みの中で、迷わずに済む。
前回は、あまりの人込みの多さに、歩き疲れた奈津子をおんぶする羽目になり、翌日はかなり腰にこたえて一日寝ていなくてはならなかった。
今回は、少しでも奈津子を楽しませる為に、そして、しいては俺の健康の為にも偵察だ!
そんな事を考えていると、向こうからぼんやりと明かりが灯っている神社の入り口が見えてきた。
神社の鳥居をくぐると、一列に並んだ屋台が目に入った。
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