禁煙戦線、異常なし

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同僚が医者にかかってまでも治そうとした喫煙。高らかと喫煙復活宣言をした彼は、生還して、医者に、医療に勝ったのだっ!!と、のたもうた。その気持ち、良くわかる。 思えば興味本位から喫煙開始。焚き火のように心落ち着く火種、豊かな煙。17歳だった。 あれから何年経っただろう・・・健康診断で肺活量の検査をした時、肺は20代だと宣告された。曰く「・・・煙草、吸ってるんですよねぇ~」医者がいぶかしんだ。劣化無しっ!勝ったっ!ウォーキングしとれば、運動しときゃ何とかなるもんだ。 禁煙中、赤ちょうちんで、おもわず他人の煙草に手を出した、なんていじらしい話や、焼き鳥の煙をうまそうに吸っちまったなんて話もある。酒とセットだもんなぁ〜煙草。初める機会はありまくっても、禁煙の機会は皆無だったもんなぁ。禁煙したからって小金貯めたなんて話は聞かないしねぇ〜煙草はうまい!煙草は経費! 私にパイプをプレゼントしてくれた絵描きさんはアル中で事故死。缶入りの両切りをいつも手放さなかった叔父は脳幹やられて死亡。特に肺がんで逝った奴は、周りに一人も居なかった。禁煙への興味は微塵もなかった。 が、娘の一言。 「お父さん、健康で居て、長生きして一緒にいて。」 つぶらな瞳で上目がちに訴えかけられた。これが、胸にこたえた。 ストレス発散だ、日常の句読点だ、子供の時の母への回帰なんだ、と言えば言えないこともない。が、明日から生まれ変わるのだ。この煙草で、喫煙をやめる。明日から苦しい禁煙の戦いに挑むのだ。やめてやるっ!俺ならできるさっ!この煙で最期とする。挑むべきじんは、まだ終わっちゃいない。希望をっ!我に忍耐て、禁煙の扉を拓く力をっ!!
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