初恋

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初恋

 春人(はると)が恋をしたのは小学生の時。一緒に悪さをした冬華(とうか)の姉、夏海(なつみ)と出会ったときだ。  けれど、当時の春人に恋なんてわからず。胸の苦しさ、頭を埋める夏海に意味がわからず悶々とした。  そして、それが恋と知ったのは13歳の秋。その時にはもう、落葉した木々と同じく、春人の恋も散っていた。  春人が12歳の時、桜が散ると共に夏海は他界した。14歳という若さでこの世を去った。  もとより体が弱く、長くはなかった。その話を聞いたのはだいぶ後のことで。春人の初恋は、後悔と追憶の海へと沈んだ。
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