娘の嫁入り前夜

3/5
前へ
/5ページ
次へ
そんなことを考えていると、家の電話が鳴った。 妻が出ると、何か話しながらこちらの部屋に歩いてくるのがわかった。 すると「お父さん、武さんが遅くて申し訳ありませんがちょっとこれから伺ってもいいですかって。すぐおいとましますからって、いい?」 武くんは日奈子の夫になる人だ。 俺と日奈子はもうすぐ9時になりそうな、ましてや明日が結婚式だと言うこんな時間に新郎が何の用事なのか、顔を見合わせた。 妻が「気をつけていらしてくださいね」と言っているのが聞こえる。 恐らく15分くらいで来るだろう。 急いでパジャマから服に着替えて待っていた。 武くんは、会社から帰宅してそのまますぐに来たようだった。
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

27人が本棚に入れています
本棚に追加