人類の敵

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 博士の次なる発明は、人間の睡眠に関わるものだった。  端的に言うと、眠気を吹き飛ばす発明だ。  特定の周波数の電磁波により、たっぷり睡眠をとったのと同じ状態になる。  人はもう、眠らなくても済むのだ。  急ピッチで研究を進め、驚くことに、わずか数日でその周波数を突き止めた。 「すぐに電磁波の出力を!」  関係各所に働きかけ、あっという間に準備は整った。  働き疲れた博士は、心地よい疲労感とともに眠りにつく。  もう、疑う余地はない。   「明日こそ、人類の新しい世界への門出だ……」
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