2.当日

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 由香理の思いや選択は、きっと全員には理解されないだろう。  それどころか、糾弾にも遭うかもしれない。  そうなったとき、俺は何をすべきだろうか。俺には何ができるだろうか。  いつかはこの国でも、婚姻関係にある夫婦がそれぞれ本来の──つまり夫婦が別々の──苗字を名乗ることが正式に認められるようになるかもしれない。  だが一方でこの国には、「戸籍」というおそらく優れた、そして完成されたシステムがある。  いわゆる「夫婦別姓」のためだけに、莫大な時間と労力と、そして何より費用をかけてそのシステムを無理やり作り変えるというのは、実際問題としてあまり現実的ではないのかもしれない。  法律のことは専門外なのでよくわからないが。  ただ個人的には、新姓と旧姓の両方が法的に正式な氏名として認められるようになればいい、とは思っている。  たとえ新しい名前をことにはなるとしても、もともとの名前をことがないのなら、由香理のような人たちは今よりはずっと救われるだろうから。 〈終〉
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