1・アンラッキーな日?

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1・アンラッキーな日?

 ヤバい。遅刻だ。  ゴールデンウィーク明けの月曜日。  寝坊して、電車に一本乗り遅れ、会社の目の前で赤信号に引っかかり……  これで、エレベーターを逃したら、完全にアウト。  カツカツとヒールの音を響かせて、エレベーターホールに急ぐ。  オフィスは48階。  高層階直通のエレベーターに乗らなければ。  乗り換えている暇はない。  ホールに着くと、まさにその高層階行きの扉が閉まりかけている。  アウト。  やっぱり、間の悪い日はとことん、ついてな……と思ったら  わ、ラッキー。中の人が気づいてくれた。  わたしは満面の笑みを浮かべて  「すみません、ありがとう……」  と言いながら、階数ボタンのほうに目をやった。  「どういたしまして」と耳に心地よく低音の声が響いた。  改めて、その人に目を向けたとたん、心臓が高鳴った。  見上げるほど長身のイケメンがにっこりと微笑んでいたのだ。
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