1・アンラッキーな日?

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「高橋……ひよりさん。可愛い名前だね。よろしく」  少しすると、宮沢さんは軽やかな足取りでわたしのデスクに近づいてきた。  わー、瞳の色もきれい。  明るいブラウンだけれど、光線の加減か、少しだけ緑味がかってる。  それに睫毛、長っ。  「ん? 顔に何かついてる?」  見つめすぎちゃった。  まずい。  「い、いいえ。よろしくお願いします」  「こちらこそ」  「じゃ、じゃあ、ざっとご案内しますね」  そういって、わたしは椅子から立ち上がった。  視線が痛い。  そりゃわたしだって、他の人が彼と一緒に歩いていたら、絶対羨ましいって思う。  なるべく離れて歩こう。その方が身のためだ。   「で、このフロアのコピー室はこっちです。あと、20階に簡易印刷機を備えた共有の印刷室もあるので、大量に刷る場合はそっちを使ってください」 「了解」 「一応、こんなところですね。またお聞きになりたいことがあったらいつでも声をかけてください」
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