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「ねぇちょいと、あんたたち……。アタシの話、聞いてる?」
三匹がコマを見た。いかにも呆れ果てた様子で、コマの顔を湿った目で見つめていた。
クロハナと白丸が首や肩を回すと、茶々丸が一つ息をついて口を開いた。
「あのねコマさん……。今の話の中で、なんかおかしいなって思うところ、なかった?」
コマは理解できないのか、きょとんとしながらこめかみを掻いた。
「なんでゴンさんのカバンに金とプラチナが入っていたの? その時点でまずおかしいじゃない。なにが神様からのプレゼントよ。ふつーに考えて、ゴンさんか、そうでなければ他の誰かの物でしょう? アタシがコマさんだったら、ビックリしてまずはゴンさんに確かめる行動を取ったわ。それを、そのまま買取専門店で売っちゃうなんて……一体どういう神経してるのよコマさんあなた」
茶々丸の台詞に、クロハナと白丸がうんうんと頷いた。
コマがハッとして前足を口に当てると、クロハナたち三匹は輪唱するようにでかいため息をついた。
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