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未解決犯罪倶楽部
「……はぁ」
「……う~」
この街でいちばん大きな川の河口付近。そこを跨ぐ鉄道橋の真下。すっかり秋の風が吹き始めていて、汽水域を抜けてくるような海風もだいぶ冷たくなってきていた。
紙資料が入ったファイルを抱えた男がひとり、ため息を吐く。カメラを首からさげ、ついでに腕にはノートパソコンを抱えたもう片方の男は唸り声を上げた。抜けてくる風はそれでいて湿度は高いものだから、鬱屈した気分がさらに鬱屈してくる。ため息が出るのも仕方ないと思える。
一応、秋の空は晴天である。そのはずなのだが、彼らの上空は重苦しい雲に覆われているらしい。せっかくの晴れ空も一瞬で曇天であった。
「何か、あれば良いんですけどねえ……」
「『何か』っつったって、今更何があるんだって話だろう」
「ですよねえ……」
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