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「まぁ。……はい、すみません失礼なことを」
「むしろ、誰でも類推できるようなところまで漏らしておいて黙りになるほうが失礼だぞ?っと」
「気を付けます」
素直でよろしい。
「まぁ、何だ。そういうことも無くも無いってことだ。」
「へえ……」
それにしたってそこまで目を輝かせてどうするんだ、というツッコミを口から出ていく寸前のところで飲み込み直す井上。加藤には若干の勘違いがあるようだが、そのままにしておいても実害はないはずだ――というか、そのままにしておいた方が面白いだろうと思った井上は、とくに修正を挟もうともしなかった。
「まぁ、ヤツが来るまでは適当に」
「そこのおふたりさん」
「……ん?」
「あ、はい……?」
突然真後ろから声がかけられた。振り向きながらも返事をする。
そこに居たのは、3人組の男たちだった。
身なりは、悪し様に言ってしまえば、その辺によく転がっている連中。とくにコレといった特徴がない。特徴が無いことが特徴とかいう、とんでもなく雑な表現こそ、彼らに似合うようであった。背格好も中肉中背である。
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