勘違いから始まる出会い

7/11
前へ
/133ページ
次へ
「遅れてすみません」 「遅いぞ、梶」 「やっと来た!!」 「あっ」 部屋に入って来た人を見ると、先週の美容院で世話になった美容師の彼だった。 「あー、この前の…」 「何だ、お前ら知り合いだったのか?」 「まあ、ちょっとね」 「早く座れ。女子達はお前を待ってたんだよ」 「俺は客寄せパンダじゃないんですけどね」 美容師の彼…梶くんが席に座ると、女性陣を梶くんを取り囲んで質問攻めを開始した。 俺と話していた彼女も輪の中に入って梶くんに話し掛けている。 「この前の雑誌見たんですけど、私にもアレンジしてもらえないですか?」 「どんな人がタイプなの?」 「この中で好きなものあります?」 女性陣に囲まれ、梶くんはさぞ満足げ…と思いきや、随分困った表情でお通しを食べていた。 俺と大悟、梶くんを除く他3人は女性を持っていかれて白けてしまい、3人でまとまって酒を飲んでいた。 「ねえ、大悟さん。俺ら必要あります?」 「いやいや、この後ちゃんと席替えするから女子と話せる機会あるよ」
/133ページ

最初のコメントを投稿しよう!

211人が本棚に入れています
本棚に追加