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「遅れてすみません」
「遅いぞ、梶」
「やっと来た!!」
「あっ」
部屋に入って来た人を見ると、先週の美容院で世話になった美容師の彼だった。
「あー、この前の…」
「何だ、お前ら知り合いだったのか?」
「まあ、ちょっとね」
「早く座れ。女子達はお前を待ってたんだよ」
「俺は客寄せパンダじゃないんですけどね」
美容師の彼…梶くんが席に座ると、女性陣を梶くんを取り囲んで質問攻めを開始した。
俺と話していた彼女も輪の中に入って梶くんに話し掛けている。
「この前の雑誌見たんですけど、私にもアレンジしてもらえないですか?」
「どんな人がタイプなの?」
「この中で好きなものあります?」
女性陣に囲まれ、梶くんはさぞ満足げ…と思いきや、随分困った表情でお通しを食べていた。
俺と大悟、梶くんを除く他3人は女性を持っていかれて白けてしまい、3人でまとまって酒を飲んでいた。
「ねえ、大悟さん。俺ら必要あります?」
「いやいや、この後ちゃんと席替えするから女子と話せる機会あるよ」
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