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ようやく仕事を終えて帰宅している最中に、彼女から電話が来た。
「もしもし、ひろか?ごめんな、今日デート出来なくて…」
しばらくの沈黙の後、電話の向こうから溜め息が聞こえた。
『ねえ、ともくん…私達って、付き合ってる意味あるのかな?』
「えっ!?それってどういう…」
『私が会いたい時にはともくんいつも忙しいし、休みの日にはともくんは休みたいからって会えないし…何のために付き合ってるのか分からなくなってきて…私、ともくんが好きなのか分からなくなってきたの…』
話の流れから怪しい雰囲気になってきて、俺は焦り始める。
そして一瞬の間を置いて、彼女から決定的な言葉を投げ掛けられた。
『ごめん、私達…別れよう』
「ちょ、ちょっと待って!今度こそデート出来るよう仕事頑張るから!」
『それもう4回目なんだけど…聞き飽きたし、期待するの疲れた…今までありがとうね…』
「ひろ…」
弁明する前に電話が切られた。
俺は空を見上げて呆然と立ち尽くした。
仕事を押し付けられ、彼女にもフラれる。
今日は最悪の1日だった……
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