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「それで、今日は何しに来たの? あ、祭りに来たの?」
今日からこの国では五日間のお祭りが開かれる。世界中から多くの人が集まる祭りだ。
「いや、例のものを取りに来たんだけど。連絡くれただろ?」
その言葉に最初はぽかんとしたルーシーだったが、自分から連絡しておいて忘れるなよとでも言わんばかりのラレイルの表情に、すぐにぽんっと手を叩いた。
「例の……ああ、あれね! ごめんごめん、バッチリだよ~」
そう言いながら書棚の上の扉を開き、一冊の古い本を取り出した。
本は3センチ程度の厚みで、手のひらよりも少し大きいくらいのサイズ感が持つのにちょうどいい。
黒にも近い紫色の布張りされた表紙は光の加減で艶やかな色を見せている。その表紙には金糸で繊細な刺繍が施されている。上品な本だ。
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