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その夜…深夜まで
応接室に集まっていた大人達。
中心で“針の筵”の父親が
扉の隙間からチラリと見えた。
「病気で…十年以上も
寝たり起きたりやったから
お前が女作る気持ち…
判らんではないけど…」
「先妻さんの影が多い家での
“嫌がらせ”やろうとは
思うんですけど…にしては
その子も大事でしょうが
円香ちゃんも大事に…」
友人としての鈴子の両親の忠告と
「お前ではこの生活は変えれん!
ズルズルと女に丸め込まれて
“中途半端な鬼”やないか…。
自分が辛いから、やりきれんから
誰も棄てれんのや…。
あの二人を棄てられんのなら
円香ちゃんを守るために
円香ちゃんを棄てるんや!
ここまできたらホンマモンの
“鬼畜”になれ!」
鈴子の伯父さんの怒号に
膝を震わせる父親と…
……私は決別した。
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