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鈴子の家に呼ばれて現れた父親は
私の言い分を…
「何かの勘違い…」
曇った語調で否定した。
ただ、父親もバカでは、ない。
あの二人の性格、生活から考えると
“間違いない”そんな顔。
だから、
「なら、おっちゃん!
これ、見たら?!」
鈴子が見せた隠しカメラの映像には
項垂れる他はなし…
悲鳴をあげるマリンに
柏手打って、はしゃぎ笑いで
ハサミをむける母娘。
思わず私の肩を抱いた手に力が入り
顔をそむける鈴子の母さん。
「犯罪やで!勝手に入って
飼い犬の毛刈りショー!
犯罪どころか狂鬼や!
次は円香が殺される!
そのときはオッチャン、
どう始末つける気なん?
女に寝惚けるのも
たいがいにしてくれ!!
(勘弁してくれ) 」
「鈴子!」
周囲に止められて鈴子は
「動物病院へ行こう!
マリンの容態、もう一度
見にいこう!なんせ
切・り・き・ざ・ま・れ・る
寸前やったんやから、ね!!」
私の父親の頭の上で言い放つと
私の手をひいた。
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