52人が本棚に入れています
本棚に追加
気がつけばジャックランタン達の持っていたカボチャはもうすべて消えている。
「おかげで何とかハロウィーン・キャンペーンに間に合いそうだよ。本当に有り難う」
アインさんがベリンダさんの手を両手で握ると、少しだけベリンダさんが恥ずかしそうな顔をした。……もしかしたら彼女は、アインさんのことを少なからず思っているのかもしれない。
「彼色々身内に不幸もあったでしょう? だから甥っ子の貴方が来てくれてきっと喜んでいると思うわ。大事にしてあげてね」
そう言って僕に片目を瞑ると、ベリンダさんは魔方陣へと向かう。
「もう戻るのかい? 良かったらお礼にディナーをご馳走
させてくれないか」
「あら……」
アインさんの言葉に、ベリンダさんの顔がほころぶ。
「嬉しい! 実は丁度、横浜散策もしたかったのよね! せっかく来たんだし!」
「せやせや! ワイもお礼に土産のパンいっぱい持たしたるさかい、夜まで居たってや!」
エミリオさんもアインさんに便乗する。ベリンダさんがカボチャを持ってきてくれなかったら、同じ農家から仕入れているエミリオさんも大ピンチだったのだ。
最初のコメントを投稿しよう!