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「じゃあ、お言葉に甘えさせて貰うわね。昼間の間は横浜でお買い物してるわ。ジャックランタン達は何人か預けておくから、ハロウィーン・キャンペーンに存分に使ってあげて」
そう言って彼女が指を鳴らすと箒が消えてお洒落なハンドバッグが現れた。
「行ってらっしゃい、気をつけてね!」
「ヴィクターちゃんありがと! じゃあ、いってきまーす!」
善は急げとばかりに、ベリンダさんは海の方へと消えていったのだった。
「きっと、私達が料理に集中出来るようにすぐに立ち去ってくれたんだろうね」
「えっ!?」
アインさんの言葉に僕は驚く。
「だって、お店だってこんな早朝開いていないじゃないですか。だから海辺で時間を潰して、その後どこかに行くつもりなんでしょう」
ジェドさんに言われて僕ははっとした。そういえばまだ朝には早すぎる。
彼女のさりげない気遣いに僕は驚き、そして感謝した。
「さ。本番はこれからだよ。開店時間までにしっかり料理の仕込みを済ませないと!」
ベリンダさんの後ろ姿を見送って、アインさんが振り返る。
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