ビストロ・ノクターンのハロウィーン（1.5）

◇ハロウィーン・キャンペーン

　やがて開店時間になり、ハロウィーン・キャンペーンの為、それにランチを食べる為、色々な目的でお客さんが次々にお店を訪れた。ハロウィーン・キャンペーンは想定以上の大盛況。
　なんと平日にもかかわらずカフェタイムもかなりの賑わいを見せた。

「ちーっす！　そろそろパン無くなる頃やろ思て追加持ってきたわ！」

　エミリオさんもそんな盛況っぷりを察して、こまめに商品を補充しにきてくれた。エミリオさんはエミリオさんで、シチューパイ用のシチューをアインさんから受け取って返る。

「悪いんだけど、エミリオの手が空いたら少し手伝ってもらえないかな。カボチャの器を作るのが間に合わなそうなんだ」

　そう。カボチャの器の削り出しは思いのほか大変で。僕とヴィクターでは全然進まない。

「ええで！　まかしとき！」

　快諾してくれたエミリオさんは、パン屋の方を従業員さん達に任せるとすぐに僕たちの方に助っ人にきてくれた。