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さすがは人狼というべきか。
エミリオさんの驚くほどの早さといったらなかった。あっという間にカボチャは中身をくりぬかれ、そしてカボチャの器が山積みになったのだ。
「どや!」
僕たちはあまりの早さにあっけにとられるしか無かった。頼んだ張本人のアインさんですら、暫く声が出なかったほどだ。
「いやあ……びっくりしすぎて声が出なかったけど。有り難う、凄く助かったよ」
まだしどろもどろになりながら、アインさんはエミリオさんにお礼を言っていた。確かに引くほど早かったから気持ちは僕もよく分かる。人狼の瞬発的な力は、どうやら吸血鬼を遙かに凌駕するほどのものらしい。
「えーってえーって! 店長とワイの仲や! それにお互いハロウィーン・キャンペーンでコラボしとるからな。どっちも成功しないとだめなんや」
本当に、底抜けに明るくていい人のエミリオさんは頼もしい。
結局、カフェタイムからディナータイムの間もエミリオさんが削ってくれたカボチャの中身や他のカボチャも使って、ディナータイムの仕込みに僕たちは追われた。
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