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「そ。田舎。っぽく見えないでしょ? 実は50年くらい前に大失恋しちゃってね、今は少し傷心を癒やすために田舎で暮らしてるの。農作業は使い魔がやってくれるしね」
「そ、そうだったんですね……」
こんな綺麗な人でも失恋することがあるんだ。そのことに僕は一番驚いてしまった。「ま、もう流石に大分傷も癒えて今はへでもないけどね」とベリンダさんは肩を竦めて笑う。
「お待たせしました――『ジャックランタンのパンプキンシチュー』と、『トマトカレー』それに『お化けのガトーショコラ』。それにこれは当店からのサービスで、『ヴァンパイアのワインゼリー』になります」
暫くしてアインさんが持ってきたのは、ディナータイムのメインメニューと、アインさんから彼女へのお礼の気持ちのゼリーだった。メインメニューの3品はともかく、ワインゼリーの何処がヴァンパイアかといえば吸血鬼の棺の形の器に入っているところだ。
(ジェドさんのアイデアがこんなところで使われることになるとは……)
それにしても、ワインゼリーとは実にベリンダさんにぴったりでお洒落なデザートだ。
「こんなに甘い物食べたら太っちゃうかな」
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