52人が本棚に入れています
本棚に追加
「確かに、包帯でぐるぐる巻きにした余と、いかにもな黒マントの店長は一目瞭然ですけれど、ヴィクターは流石に油性ペンで頬に×つけただけじゃ誰も人造人間の仮装だなんて思わないですよね。かといって、妙に気合入れるのも本末転倒ですし……」
ジェドさんも腕を組みながらうんうんと当時の事を思い出しているようだ。
しかし、油性ペンで頬に×じゃあまりにも仮装の幅が広すぎる。ぱっと考えるだけでも×がついている人物に3人は心当たってしまうのだけれど……勿論、生きた人間で。
「まあ、仮装は我々分かりやすい者達に任せて、ヴィクターはいつもどおりが一番いいと思うんですけどね。それかきょっぴーと二人で虫歯菌みたいなツノつけて、悪魔ブラザースの仮装とか、白いシーツ被ってお化けの……いや、シーツはテーブルにひっかけても危ないですね……」
「ははは……」
結局ジェドさんも思考モードに突入してしまって、それから暫くの間、ずっとぶつぶつと呟きっぱなしだった。
最初のコメントを投稿しよう!