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◇あれからの日常
僕がビストロ・ノクターンにやってきて数か月は過ぎ去ったわけで。最初はたどたどしくて危なっかしかった僕の仕事ぶりも、なんとか毎日無事に過ごせるほどには慣れてきた。
勿論たまに失敗をすることも無くはない。けれど、毎日を終え次の日を迎える事が不安だった日々と比べれば雲泥の差だ。失敗しても怒られない、そっと後ろから支えてくれる人たちの優しさと有難さを日々噛みしめている。
そんなわけで今日もそれなりに繁盛したビストロ・ノクターンの営業も、ディナータイムの終わりと共に閉店した。
「え~、それでは。ハロウィーン・キャンペーン施策会議をこれより始めたいと思います」
「ひゅーひゅー!」
「よ! 待ってたで!」
真面目にホワイトボードの前に立つジェドさん。そして合いの手を入れるヴィクターとエミリオさん。二人はもはや会議とかどうでも良くて、仕事の後のリラックスタイムみたいな空気感だ。
とはいっても小さい洋食屋の小さな会議。堅苦しい雰囲気などある筈も無く、店長であるアインさんも……。
「今日も一日お疲れ様。試作品のトマトジュースをどうぞ」
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