ビストロ・ノクターンのハロウィーン(1.5)

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 ハロウィーン・キャンペーンの試作レシピを味見がてら皆に配っている。 「きょっぴーもお疲れ様。忙しい中頑張ったね」 「いえ、皆が居てくれるからです。有難うございます」  トマトジュースをアインさんから受け取ると僕は気恥ずかしさで思わず笑ってしまう。ヴァンパイアがトマトジュースを血の代わりにできるのかはさておき、一日経ちっぱなしで働いた後のトマトジュースは最高だ。丁寧に裏ごしされてすっきりしたトマトジュースは、喉の先で停滞することもなくするりと胃袋まで落ちて行った。 「はぁ、凄くすっきりする……! 美味しいです! 色といいハロウィーン・キャンペーンいぴったりですね!!」 「有難う。ディナータイムのお客様にサービスでお出ししようと思っているんだ」  僕の言葉に、嬉しそうにアインさんは頷く。  トマトって生で食べるのは苦手なんだけれど、こうしてジュースにして飲むのは凄く飲みやすくて美味しいかもしれない。 (あと、健康にも良さそう……)
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