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「ここは……」  レニーが目覚めた場所は自分の家の寝室のベッドの上だった。上体を起こし痛みが走る頭を触るといつもと違う感触があり窓に反射する自分の姿を確認する。頭には包帯がぐるぐると巻かれていて窓を開け辺りを見渡すともうすでに暗くなり始めていた。 「おっ。少年お目覚めか」  包帯を替えに来てくれたイイラが安心したように笑いベッド近くの椅子に腰をかける。 「おじさんまだこの星にいたの?」  最近顔を見てなかったから、賞金をもらってイイラはとっくにこの星を旅だったと思っていたが、うむと頷くとゆっくり口を開いた。 「いっただろう、俺はしつこいんだ。いろいろ策を考えてきみを尾行してたら、市街地から血だらけの少年が宇宙船の前で倒れていていたからあわてて応急処置をして二時間ほど寝かしておいた。おっと治療代はあとでしっかり請求するからお礼はいらないぞ」  頭が痛む。そうだセラは男たちに連れ去られて……。 「ちょっと待てよ、おじさんはずっと僕をつけていたんだよね」 「あぁ」 「じゃあ!」  勢いよく立ち上がってイイラの胸倉を掴んだ。 「じゃあどうして、助けてくれなかったんだよ! 見てただろ、僕の友達が攫われるとこ!」 「あぁ、見てた」  あっけらかんとした口調でつぶやいた。レニーは怒りを露わに激しくイイラの体を揺らす。するとイイラの笑い声が部屋中に響いた。 「なにが可笑しいんだよ!」 「いやぁ失敬、少年があまりに滑稽で、いや実に滑稽。愉快愉快」 「なんだと!」  レニーが怒りに任せてイイラの頬を殴ろうとする、その瞬間に自信の額にブラスター・ピストルを突き付けられていた。 「バカなこと言ってんじゃないよ俺はただの運び屋。依頼がないのにどうして人を助ける義務がある」  
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