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  次に目が覚めたときレニーは自分の家のベッドに横になっていて、時刻を確認すると朝の八時過ぎだということに気が付いた。昨日あれだけ歩いたかいもあり下半身は程よい筋肉痛に見舞われタオルケットを取り払うのにいつもの倍の時間がかかる。レニーはとりあえず洗面所に行き顔を洗い朝食を作るために台所に向かった。 「おはよう。もうご飯できてるよ」  カチャカチャと音をたてる台所からは朝ごはんのいい匂いがしてきてレニーは頷きながら大きな欠伸をして隣のリビングの椅子に座った。そこにはもう何品か料理が運ばれていて、おもむろに玉子焼きをはしで掴むと口に放り込んだ。 「おいしい」 「よかったぁまだあるからいっぱい食べてね」 「……」  一泊間を置いた後わっと叫んで席をたった。昨日の出来事が鮮明に思い出されてきてカオスな状況に固まる。台所で洗い物をしていたショートヘアの人物はゆっくりとこちらを振り返りレニーを見つめた。
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