三章👑ついに文化祭開幕……!!

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「……それ何メイク」 いきなり間近でえげついイケボが響いてバッと振り向く。 そこには……ヴァンパイアの衣装を着た一真くんがあぁぁァア 「おはょぅ」 いつの間にか向かいの席に頬杖をついていた一真くんにバギュンッと心臓をやられる。 ちょっと照れててえげ可愛い!! 「おはよぅございます!!どうしたんですか!今日は!」 一真くんが私に話しかけてくれるなんて……!雨でも降るんですか!氷でも降ってきますか! 「どうしたって……別に、」 「どうもないけど」 どうもないのに話しかけてくれたんだ……ッッ しかも衣装とメイクのせいでいつもと違って初めて見る一真くんの新たなビジュ輝いて見える……ヴァ 切実に血を吸われたい。 「あの子んとこ行かなくていいの」 一真くんに心配そうな目で見つめられ、妄想の世界がプツリと途絶える。 「あの子」 「昨日、河井を下駄箱で待ってた子」 一真くんの視線がふと私の手元に下がり、はっとした。 「あぁ!笑心!!」 手に持っていたぬいぐるみを抱き上げると、一真くんは眉を下げてふっと笑う。キュン。 「ご心配ありがとうございます」 「おかげで笑心と仲直りできました」 「一真くんに嫉妬してたみたいです」 ――『やきもちやいてごめんなさぁぁ〜〜い』 かわいく泣く笑心を思い返してふっと笑みが溢れる。 応援するって言ってくれたのもすごく嬉しかったなぁ…… 「……」 あ。 今の言い方だとちょっと一真くんのせいみたいになっちゃうかなっ 「ちがうんですっ」 「あの笑心と、こう暑い友情のハグを交わしてですねっそれでクラッカーがパァーン!!って!!」 「ふふっ、……わかったわかったから。まぁ仲直りできたならよかった」 「ぁ……はい……」 うまく説明できたかは分からないけど、一真くんの笑顔にぜんぶ心がもってかれた。 優しく、ふっと微笑むのは反則では……?
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