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椿くん……ッ!!
ひぇぇ……こわいこわいこわ
「……あぁ、はい。すぐどくんだけど、……もうちょっと言い方考えたらどうですか?」
桜さん……っっ
「あ?なに」
「だからもうちょっと言い方どうにかしたらって」
「言い方変えても意味は同じだろ」
「……っうっざ、」
「は?」
椿くんの目つきと声色が一気に敵を見る目に変わった。
桜さん、言葉はすごく強気だけど震えてる。
見ていられなくて二人の間に入ろうとした時、誰かにくいっと腕をひかれた。
「手出すのはダメだね。分かってる?相手女の子だよ」
「……お前、誰?」
「おれ波三谷 楽!よろしく!」
「きっしょ」
「えぇ〜両想いじゃん。俺もお前きしょいと思った」
間に入ってくれたと思ったけど……なんか波三谷くんもメラメラしてないですか……?!
ど、どうしよう
このままじゃ大乱闘に……やっぱり私が間に挟まってなんとでも阻止するしか……!!
「桜さん下がってくださいぃ!ここは私がぁァ……っ?」
前に進もうとしても進まない。
そのうち首根っこをくいっと後ろに引っ張られた。
「この気配は!!一真くん……♡♡」
「……なんで気配だけで分かるんだよ怖いんだけど。……てか何、これ。どうしたの」
「あぁ!あのですね!いま大乱闘が大乱闘で!!私がこう大乱闘に突っ込もうとッ」
「よく分かんないけどとりあえず突っ込むのだけは止めようか」
「ハッ……はい喜んで!!」
劇を見たあとだからか、一真くんがより尊く見える……
「おい……っ!どこいくんだよ!」
一真くんがいきなり声を荒らげた。
その見つめる視線の先には椿くんの背中。
悲しそうで、寂しそうで、でも怒っていて
ずっと何かを伝えたい、我慢してる、でも言いたい
――こんな一真くんは初めて見る。
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