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桜さんが私の味方をしてくれる。そんな人がいるなんて幸せ。すっごくうれしい、でも
「わたしも桜さんだいすき」
「でもね椿くんも心底悪い人じゃないと思うの」
「なにかあるはずなの」
「私がだめなところがあるんだと思う」
「誰だって許せないことがあるから」
「だって椿くんは友達がたくさんいてね」
私なに言ってんだろ。桜さんは友達の私をかばって味方してくれているだけ。分かっているのに。嬉しいのに。そんなこと言わないで、って悲しい気持ちもあって、
でも知っているから。椿くんがお昼ごはんを忘れた友達にパンをわけてあげていたのも、私の机の上に座っている人を注意していたのも。
「悪いことばかりじゃないと思うの」
良いところも知っているから
「だからね、あのね」
「……なんで、あんたは」
桜さんは何かを言いかけて口を閉じた。
「……それが翠恋なんだもんね」
「でも私だけは怒ってあげるから」
桜さんは、いーっと威嚇するふりをして、それから明るく無邪気に笑った。
かわいい。
「ずっとあいつのこと喋ってたらもっとイライラしてきた!翠恋なんか食べ行こっっ」
食べる……!!
「はいっ!」
「あっ菜屋おいてきた!ちょっと電話かけるね。もっしー菜屋おいてってごめん」
「ゆるさない?ごめんて美味しいの一個おごるから」
「でしょ。んじゃあたし達2階のえーとコスプレパフェんとこいるからすぐおいで」
コスプレパフェ……カフェじゃなくてパフェなんだ!すごいかわいい!
気になってぴょこぴょこ中を覗くと、いろんな衣装を着た人達がいてワクワクしちゃう。
うちのクラスもコスプレっていうか主に一真くんが女装させられそうになってたけど、やっぱりこういう変身系は人気だなぁ
……そういえばあの時、お化け屋敷をやろうって言い出したのは椿くんだったよね
もしかして椿くん一真くんが嫌がってるの分かって助けた……?
いやぁううーん!でも椿くんの性格ならただ自分がやりたいことを言っただけの可能性も十分ありえ
「おっ菜屋きた。おーいこっちだよー」
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