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二年六組の好きなものパフェ!!
桜さんが手招きする方から菜屋さんが歩いてくる……すごく圧力を感じますが……
「おいてめぇら。あたしを置いていくなんていい度胸してんじゃねぇか」
「だよねっ菜屋さんすみません!!ゾンビメイクと相まってすごく怖いですっ!!」
「あはははっうそだよーん」
いつもの無邪気な笑顔にほっとする。
菜屋さんはイタズラ好き。笑うと八重歯が出るところ、可愛いな。
「ねぇ……入ってあげる?」
いきなり桜さんが神妙な声で言った。
「なんかすごい見られてるけど」
ほ、ほんとだ!!
コスプレパフェをやっている教室のドアからひょっこり、誰かが顔を出してこっちを見ている。
お客さんが並んでる様子もないみたいだし……
「かわいそう……」
「そうか?」
菜屋さんに肩を組まれ、慌てて口をふさいだ。そうだよかわいそうだなんて、私が勝手に決めちゃだめだよね。ひとりだった自分と重ねて、思わず勝手に口から言葉が漏れていた。
「おーーい」
そこでもう一人ドアからひょこっと誰かが出てきて、その人が満面の笑顔で私達を呼んでいる。ザ、マッチョォォ!って感じの強そうな人。
「楽しいからおいでーー!」
それ誘拐犯のセリフ……!!
「行こうか」
「菜屋好みのイケメンだね」
「そう思うよね」
えっ行くの?!?!
コスプレパフェに向かうふたりの背中を慌てて追いかける。
二年六組と書かれた看板を抜けて中に入った。
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