屋根裏部屋

1/4
12人が本棚に入れています
本棚に追加
/4ページ
 私が深い眠りから目を覚ますと、切妻破風(きりつまはふ)穿(うが)たれた小さな四角い窓から、柔らかな朝日がぼんやりと射し込んでおりました。見慣れた屋根裏部屋、チューダー様式の黒く太い柱や梁でさえも、薄暮に覆われたようにくすんで見えました。  そのうち、階段を登る足音が聞こえてまいりました。なんだかその音もくぐもって、まるで耳の中に薄く綿を詰めているようでした。足音はゆっくりと近づいて、扉の前で止まりました。足音の主は、私が起きないように気をつかっているのいるのでしょうか、ノックもせずにそっと扉を開けました。  そこにいたのは白くて痩せた、見たことのないおばあさんでした。 355a96d4-ff53-4438-b327-fbf068c245fb
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!