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私が深い眠りから目を覚ますと、切妻破風に穿たれた小さな四角い窓から、柔らかな朝日がぼんやりと射し込んでおりました。見慣れた屋根裏部屋、チューダー様式の黒く太い柱や梁でさえも、薄暮に覆われたようにくすんで見えました。
そのうち、階段を登る足音が聞こえてまいりました。なんだかその音もくぐもって、まるで耳の中に薄く綿を詰めているようでした。足音はゆっくりと近づいて、扉の前で止まりました。足音の主は、私が起きないように気をつかっているのいるのでしょうか、ノックもせずにそっと扉を開けました。
そこにいたのは白くて痩せた、見たことのないおばあさんでした。
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