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入学して数日が経った。
アリスは学校が楽しかった。今まで友達らしい友達もおらず、話をするのは家族か同じ屋敷に住んでいる人達だけだったので、同年代の子どもと話をしたり遊んだりすることが新鮮だった。
特に仲が良くなったのが隣の席のココちゃんで、給食の時も休み時間もずっと一緒だった。
アリスは猫と話ができることを誰にも言わなかった。それは、子供心に人に知れたら気味悪がられると思ったからだった。以前、クロ達と会話ができだしたばかりのころ、ももっちに、
「わたし、クロと話ができるよ」
と言った時、ももっちから、
「キモッ!」
と言われたことがあり、その時子供ながらに傷ついた。
ママたちは普通に話してるのに、アリスはまだ話したらいけないんだ、人に知られたらダメなんだと思うようになった。
だからアリスは、仲のいい友達のココちゃんにも秘密にしようと思っていた。
アリスが学校に通いだして半月ほど経ったある月曜日、ココちゃんが学校を休んだ。次の日も来ず、その翌日、久しぶりに顔を出したが、何か様子が変だ。左足を引きずるように歩いていたのでアリスは、
「その足どうしたの?ココちゃん?」
と聞いてみたら、
「何でもない……」
と言うばかり。
「何でもないことないじゃない、左足をどうしたの?」
「ころんじゃったのよ」
「ウソだ!ころんだだけで、こんなにたくさん足にあざはできないよ?」
「……」
ココはこれ以上ウソをつけないと思い、
「実は……」
と話し始めた。
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