2.その名はアリス

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 入学して数日が経った。  アリスは学校が楽しかった。今まで友達らしい友達もおらず、話をするのは家族か同じ屋敷に住んでいる人達だけだったので、同年代の子どもと話をしたり遊んだりすることが新鮮だった。  特に仲が良くなったのが隣の席のココちゃんで、給食の時も休み時間もずっと一緒だった。  アリスは猫と話ができることを誰にも言わなかった。それは、子供心に人に知れたら気味悪がられると思ったからだった。以前、クロ達と会話ができだしたばかりのころ、ももっちに、 「わたし、クロと話ができるよ」 と言った時、ももっちから、 「キモッ!」 と言われたことがあり、その時子供ながらに傷ついた。  ママたちは普通に話してるのに、アリスはまだ話したらいけないんだ、人に知られたらダメなんだと思うようになった。  だからアリスは、仲のいい友達のココちゃんにも秘密にしようと思っていた。  アリスが学校に通いだして半月ほど経ったある月曜日、ココちゃんが学校を休んだ。次の日も来ず、その翌日、久しぶりに顔を出したが、何か様子が変だ。左足を引きずるように歩いていたのでアリスは、 「その足どうしたの?ココちゃん?」 と聞いてみたら、 「何でもない……」 と言うばかり。 「何でもないことないじゃない、左足をどうしたの?」 「ころんじゃったのよ」 「ウソだ!ころんだだけで、こんなにたくさん足にあざはできないよ?」 「……」 ココはこれ以上ウソをつけないと思い、 「実は……」 と話し始めた。
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