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一方アルはその頃早々と仕事に行っていた。
魔王を倒したとしても魔族は居なくならない。
魔王で保たれていた秩序は悪くなる一方で至る所から攻撃を受ける事など想定していた事だ。
そんな中でも一番の標的になるのは銀髪がいるこの国、ナザリア王国である。
「あーだるっ、、蛆虫みたいに湧いて出てくるのまじやめてほしいわぁ、、」
わーわーと戦いの最中アルはナザリア王国と魔族の国の国境で座りながら悪態をついていた。
「た、隊長!!座ってないで戦ってくださいよ!!」
「だってだるいじゃん、、」
「隊長ー!!死ぬって!魔族強いって!
魔法でそこらじゅう火とか水とか雷とかでとんでもない事なってるって!!」
もうかれこれ2時間は戦っている隊員達は体力の限界に近づいていた。
「はぁ、、仕方ないなぁ、、」
アルは元々ナザリア王国の騎士団の第一軍の隊長であったが、魔王を倒した今も地位を変えずに隊長としてやっていた。
「隊員は全員引け!!あいつらをここまで引きつけろ!」
アルがそう言うと戦っていた隊長は全員アルの近くまで引いて行く。それを追いかけてきた魔族達はアル達がいた1メートル手前で何かに感電した様に身体を硬直させてあっという間に次々と倒れ敵は全滅した。
「は??なんですかこれ?隊長の仕業ですか?」
「あー、まぁ、元々魔族が入れない結界作ってるからこの先に魔族入れないんだよね。」
「は??じゃあなんで僕達戦ってたんですか??」
「えー??訓練?」
「はぁぁぁぁ??うざっ、、まじうざ!!
隊長うざ!!」
「良い運動になっただろ?さて帰りますか!」
隊員達は全員ボロボロになりながら呆れ顔で
隊長を見つめていた。
「隊長も人が悪いなぁ、、悪役にならなくたって良いのに。」
そう呟いたのは副隊長のラン。
「なんの話?ラン!」
「みんな気付いて無いんですよ?魔族と戦い
死者も酷い重症者も出ていないのは隊長が危なくなったら助けてくれてるからって事を!」
「気のせいじゃない?」
アルはランにそう言うと意地悪そうに笑った。
ランはそれを見て不覚にキュンとしてドキドキしていたのはここだけの話である。
「全員撤収!!帰るぞー」
アルが一言そう言うと隊員はなんやかんやアルに続いていく。なんやかんやアルは隊員の憧れと性的な目(一部)で見られているのだ。
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