第二夜

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一方セスは朝食を食べならアル達が戦ってる所を見ていた。 いわゆる映像というやつはこの世界にも存在していて隊員達の戦いは高性能定点カメラで見ることが出来るのだ。 「アル、、、かっこいい、、、」 かなり遠い為会話までは聞こえないがズームはできる。セスは目いっぱいアルにズームをして見ていた。 「アル、帰ってくるかな??」 朝食を食べる前にアルが戦いに出ている事を知ったセスはとてもガッカリしていた。 城の中の訓練場にいなければ直接アルを見る事 が出来ないからだ。 「帰ってきたけど。」 後ろからいきなり聞こえた声にセスは食後に飲んでいたコーヒーを吹き出した。 「アル!?なんで?だって今国境近くにいたはずじゃ、?」 「だるいから自分だけ帰ってきたけど?」 「は、はぁぁ?隊員は?」 「多分昼過ぎには帰ってくるんじゃない? それよりさ、なんで俺を見てたの?寂しかったの?」 「ち、ち、違うし!朝から国の心配しただけだし!!見てないし!!」 「ふーん。こんな戦いのグロテスク映像見ながら良く飯食べれるね。セスって凄ーい。」 「ちが、、、グロテスクの奴見てないもん!!アップにしてたから見えなかったもん!! セスはグロテスクとか好きじゃないんだからぁぁぁぁぁ」 セスはテンパると幼児化するのはもう慣れて頂けただろうか? 「はいはい。セスはグロテスクは見てないし、俺も見てないし、ただ国が心配だっただけなんだな?」 「、、、う、、ん、、」 セスは素直になれずに嘘をついた。 本当はアルを見ていたのにどうしても素直になれない。 好きなのに好きと言えない。 もう魔王はいないのに、結婚したのに何年間も 好きと言えなかった生活で簡単にその言葉を口にできないのだ。 「そっ!!じゃあ俺少し寝るわ!昨日あんまり寝れなかったからだるい。」 「あっ、、アル、、?」 「なに?」 「あの、、、寝れなかったって、、私もしかして寝相悪かった?寝言うるさかった?」 まさか!!イビキかいてた??? 「いや、、、ちょっと寝れなかっただけだから、、、じゃーな!」 アルはあからさまに気まずい顔をして去って行った。 セスはアルがいなくなった後、この世の終わりの様な顔で崩れ落ちる様に床に座り込む。 「私、、、。イビキがうるさいんだわ、、、 どうしよう、、、嫌われる、、」 皆様はお気付きだろうが、アルが眠たい理由は 朝方までセスを抱いていたからである。 セスの突起が腫れ上がるほどに、、。 それを知らないセスは素っ頓狂な事で悩んでいたのだった。
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