第一夜

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ここは魔族と人間が大陸を分けて住む世界。 魔族は当たり前の様に魔法を使い 人間は当たり前の様に知能を使い科学を発展させている世界。 長い長い間、魔族と人間は戦い続けたが今から300年前に友好条約を交わし戦いは表面上収まっていた。   魔族は条約を交わす条件に100年に一度生まれてくる銀髪の人間を魔族に渡す事を。 人間は、圧倒的に人間より個体数の少ない魔族達があり余している領土の3分の1を譲って貰うことを条件に、友好条約は結ばれたのだ。 だかここ最近は条約も形だけの物になりつつ魔族達は水面下で怪しい動きをしていたのだが、、、。 アルが2年前にふらっと 「俺、ちょっと魔王倒してくるわぁ」 と言って本当に倒して来てしまった事で人間の世界は棚からぼた餅状態で平和になってしまった訳で。 そんなこんなでアルが魔王の首と途中の国で仲間になった人達何名かをつれてナザリア王国に戻って来たところから話はスタートするのです。 「アルテミス!いや、我らが勇者よ!!良くやった!!褒美はなんでも与えよう!!何が良い?」 この世界は人間達の国が大小に分かれて7つある。その他に魔族の国が一つ。 魔族がいた事もあり7国は共に協定を結び、友好関係を続けて来たが、アルが魔王を倒してしまった為1番小さい国であったナザリア王国は魔族の国の領土を手に入れた事で1番領土の大きな国になってしまったのである。 そりゃ、褒美も奮発してしまうはずだ。 一方、ナザリア王国の王の間でアルの幼馴染でありお姫様のセスは与えられた椅子に不機嫌な顔で座っていた。セスはアルの後ろに片膝をつき下を向いている仲間達が気になって仕方がないのだ。 なぜなら、、、 いや、、一緒に行った仲間の女の子達おっぱいデカすぎじゃない?? あれ、隠してるの?もはや隠れてないじゃん? アルの奴、、絶対おっぱいのデカさで仲間にしたんだわ。 歴史的に残るこんな場でセスはおっぱいについて考えていた。 おっと、話をアルに戻そう。 「王様、本当に何でもいいですか?」 「私が与えられる物ならばどんな地位でも財宝でも与えよう。」 「じゃあ、、そこに座ってる王様の娘を色んな意味で貰っていい?」 アルがにこやかに言い放った言葉に祝いの為に駆けつけた各国の王達も唖然とする。 もちろんおっぱいについて考えていたセスも開いた口が塞がらない。 「セ、、セスの夫になりたいと?」 「はい。出来れば今ここで」 「だが、、セスの気持ちも、、」 「俺が魔王を倒さなかったらセスは魔王に嫁ぎにいくはずでしたから、変わらないでしょ?」 「まぁ、、確かに、、」 「じゃあ今から俺はセスの夫って事で良いですね?」 「は、、はぁ、、」 「ちょっと待ったぁぁぁぁぁ!!」 おっぱいについて考えてたセスもやっと我に帰り大きな声でそう叫ぶ。 「なんだよセス!うるさいな。」 「ちょ、、、今からアルが、、わ、、私の夫って、、いきなり何言ってんのよ!!馬鹿じゃないの??」 「もう決まった事なんだからグダグダ言うなって。奥さん?」 「ちょ、、、アル!!本当一回ブッ飛ばす!!」 何度も言うがこの場は歴史に残る場であるが何を隠そう、セスはお転婆娘なのだ。 「はいはい。じゃあ話も終わったんで俺達1週間ほどハネムーンに行ってきます!」 アルは顔を真っ赤にして暴れるセスにスタスタと近づいていく。 祝いの為に訪れていた各国の王達は目を細くして明後日の方向を皆見つめている。 いわゆる見届け隊と言う奴だ。 アルは暴れるセスを抱き寄せてセスの顔に自分の顔を近づけた。 「これからよろしくな?俺の奥さん。」 「な、、、私は、、んん、、?」 セスの言葉を遮ってアルはセスにキスをした。 な、、な、、な、、、なぁぁぁぁぁ!! キス!?こんな人前で?? ちょ、、、なんか、、口に入って来たぁ、、、 「んん!!んーー!!ぶはっ、、はぁはぁ」 キスをされ放心状態のセスをお姫様抱っこした アルはこう叫ぶ。 「王様!貰っていいですよね?」 見届け隊と化していたセスの父親も我に帰りこう言い放った。 「本日より、勇者アルテミスを我が娘、セレスティアの夫とする!!」 会場にいた誰もがポカンとして居たが一斉に拍手が鳴り響いた。
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