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あとがき
この『「こんにちは」は夜と思う』というタイトルですが、意味は次のようなものです。
タイトルの意味=「Hallo」 ween Night となり、すべてはハロウィンの出来事だという暗示でした。
「Hallo」はそのまま「こんにちは」の意味で、weenは古い言い方で「~だと思う」の意味、夜はNightですね。
イマジナリーフレンドだったと明かされた馬路名風鈴(まじなふうれい)、フーリンとの会話はすべて主人公の脳内会話である、独り言だったのです。
フーリンと二人での行動をしていた時、「僕たち」といったように複数形では書かれず、「僕は」と単独で書かれていました。
真相は精神が病んだ主人公の妄想・幻覚の世界だったというのだ。
1話での、クラスのみんなが主人公の名前玩場玲威(がんばれい)を揶揄して『がんばれぃ!』といじってきていたのは、そのまま、いじめの兆候であった。
同じく父親の元力士の可愛がりは、虐待そのものであり、「口が裂けても言えない」としていたのは、虐待で殴られ本当に口が裂けていたのだ。
笑顔が絶えない家族で、主人公も家では笑ってばかりだったのは、笑っていないと虐待されるからであった。
また、庭で冷たいプールで遊ばせてくれたり、1階のリビングで暖炉の傍で本を読んでくれたりと、母親の方も虐待していて、冷たいプールは冬の出来事で、暖炉のそばで勉強させられたのは夏の出来事だったのだ。
主人公も涙が出るくらいの悔しい気持ちで胸がいっぱいだったのだ。
主人公の掲げた高い目標とは?
化学は高校の科目だけど、情報工学って?
その目的とはいったい?
もうおわかりでしょうけど、時限爆弾作りのために必死で勉強していたのでした。
バイト先が薬品工場というのも爆弾作りに必要な材料を調達するためであった。
また、ネットのFakeBookでいつも繋がってたはずの親友と称した明児とはチャットやメッセージのやり取りの描写は一切描かれていなかった。
明児と再会したときも、明児のほうは明らかに主人公のことを忘れていて、ようやく思い出したといった感じだったのも主人公と明児がしばらく疎遠だったことを示唆していたのだ。
主人公が犯行当日、準備万端で早朝から出かけ、この日のためにいろいろ準備もし、明児のヤツをびっくりさせてやろうって言うサプライズ企画を計画していたのは、まさに事件の計画であった。
警察官のコスプレは警官へ扮装し犯行を行う計画でもあったのだ。
また、両親がいつもならまだ寝ている時間だけど、その日は珍しくリビングにいたというのも、両親がすでに●されていた暗示で、主人公が出かける時に声が届かなかったのは当然である。
待ち合わせした描写もなく、神社でいきなりフーリンとの会話が始まっていたのも、フーリンが想像上の友達だったからで、新幹線内で反対側に座っていたおじさんが、主人公たちの会話に怪訝な顔をしていたのは、主人公は独り言を言っていたからであった。
同じく東京についてから電車で独り言を言っている主人公に周りの人々は視線を合わせようとはしなかったのも当然である。
その後、主人公が見ていた魔界に飲み込まれた渋谷というのは、渋谷の街のハロウィンでのコスプレした人々であり、明児を見つけてからは、狭い路地におびき寄せ、目的の復讐を遂げている。
そのころ、仕掛けていた爆弾が学校やアルバイト先の工場で爆破され、多くのクラスメイトやバイト先の人が巻き添えとなったのをスマホの合図で知った主人公。
希依の回想でもあったとおり、警官に職務質問されていた希依を主人公は警官をナイフで刺し、誘拐したのだ。
ナイフや銃で脅し、一緒に行動させていたという。
S県の自宅に戻った際、警官に怪しまれ、職務質問されようとしたところを返り討ちにして銃を奪っている。
現実世界から見るとなんという凶悪犯か……。
その後は、希依の回想通り、主人公が妄想の世界であがき、最後は警官に撃たれて死亡したのだった……。
この物語は「思い込み」の世界に生きていると、かくも世界の様相は全く違うものとなるのか……っていうことを描きたかったもので、実在の事件や出来事に何ら関わりはありません。
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