中等部7

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すっかり緊張が解けた春名と夏原がキャッキャと話していると「みなさん、ご迷惑を」と部屋に楡が入ってきた。 「楡くん、お疲れ様」 「楡空佐、お疲れ様です」 一直線に夏原と春名の前に来た楡は2人の頬を平手打ちした。 パンッパンッ と音が響き、部屋が一瞬静かになる。 「ごめんなさい」「ごめんなさいっ」 夏原と春名が肩をすくめる。 「どうして軍の敷地になんて入ってきた?」 夏原はテーブルの上にあるくしゃくしゃになったハンバーガーの包み紙を凝視している。 春名は手を太ももの上でぎゅっと握り身体をかたくする。 「お前たち6Cの飛行場で補講を受けてたんじゃないのか?」 「はい…」 「そこからどうやってここに入ってきた?」 楡の声は厳しい。 パンッパンッ ともう一度2人の頬を楡がひっぱたく。 「夏原!」 楡が怒鳴ると夏原はビクンと身体を震わせた。 「はいっ…補講のあと、川に行って遊んでいたら…北の空にTMEが見えたので…見に行きたくて…」 「川?川のどの辺りで遊んでいたんだ?」 「二本松の橋のところです」 「それから」 楡は厳しい声で続きを促す。 「それから…旧校舎の裏をまわって…」 夏原はチラリと楡の表情をうかがってみる。 楡は眉をこれでもかと吊り上げていた。 旧校舎の辺りは行ってはいけないと教えられている。 「それから」 楡の声は先程より明らかに不機嫌になっている。
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