中等部7

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チッと楡は舌打ちをして、涙で濡れた子どもたちの顔をタオルで拭ってやった。 「とにかく服を着ろ」 「「はいっ」」 2人は服を置いてるところに駆け出したがお尻のあまりの痛さに「んんっ」とたちどまり、震える足で服まで歩く。 なんとか服を着た夏原と春名はまた楡の足にしがみつく。 「離れろ、暑苦ししい」 楡は面倒くさそうに歩き部屋を出る。 パチンと部屋の電気を消すとまた子どもたちが悲鳴をあげる。 カタンと窓ガラスが鳴る。 「ひいいっ」 春名は廊下を振り返る。 廊下の奥の方は暗くて見えない。 何か黒い塊が出てきそうな予感がする。 「オバケっ」 「オバケがきますっ」 楡はうんざりしながら廊下を歩く。 「廊下の明かりを消すぞ。叫ぶなよ」 「やだ、消さないでくださいっ」 パチン 「「ぎゃああああっ」」 「電気を消しただけだ。そんなにしがみつくなよ、うっとおしい」 東2館の外に出る。 「宿舎まで、2人で戻れるな?」 と聞くと2人は激しく首を横に振る。 「宿舎まで一緒にきてくださいっ」 こいつらを宿舎まで送って、車まで戻って、車を駐車場に戻して上官に報告して… 楡はまたチッと舌打ちをする。 「俺の晩酌を邪魔しやがって…」
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