中等部7

29/29
前へ
/572ページ
次へ
「お前たちも普段はこんな時間まで外で遊んでるんだろう?あいつらと一緒に戻れ。もう降りろ」 「ひっ嫌ですっ」 夏原と春名は楡の肩につかまり直して降ろされることを拒否する。 「ったく何が怖いんだよ。あぁ、お前たち、軍でもらったシールとかを仲間に見せびらかして下らないケンカするんじゃないぞ。それと軍の敷地に入ったことも絶対に言うな。」 「はい」「はいっ」 よいしょ、と楡が2人を抱き抱えなおす。 「あんっ 」「んんっ」 「尻、痛いんだろ」 「はい、痛いです…」 「お尻痛いです…」 「明日、飛行訓練休んでいいぞ。」 「いやですっ行きますっ」 「おれもっお尻痛くても訓練しますっ」 宿舎の前に2人を降ろす。 「あー重たかった。これじゃトレーニングだな。ったく、俺の晩酌を邪魔しやがって。」 と、楡は腕を伸ばす。 「じゃあ、明日も5Cで待ってるからな。そろそろ桜田梅野よりうまく飛んでみろ。」 「はいっ 」「はい!」 上空を飛行機が飛んでいる。 風が吹いて木々が揺れる。 もうオオカミやオバケの気配はなかった。 早く明日になって飛びたい、訓練が待ち遠しい。
/572ページ

最初のコメントを投稿しよう!

271人が本棚に入れています
本棚に追加