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「お前たちも普段はこんな時間まで外で遊んでるんだろう?あいつらと一緒に戻れ。もう降りろ」
「ひっ嫌ですっ」
夏原と春名は楡の肩につかまり直して降ろされることを拒否する。
「ったく何が怖いんだよ。あぁ、お前たち、軍でもらったシールとかを仲間に見せびらかして下らないケンカするんじゃないぞ。それと軍の敷地に入ったことも絶対に言うな。」
「はい」「はいっ」
よいしょ、と楡が2人を抱き抱えなおす。
「あんっ 」「んんっ」
「尻、痛いんだろ」
「はい、痛いです…」
「お尻痛いです…」
「明日、飛行訓練休んでいいぞ。」
「いやですっ行きますっ」
「おれもっお尻痛くても訓練しますっ」
宿舎の前に2人を降ろす。
「あー重たかった。これじゃトレーニングだな。ったく、俺の晩酌を邪魔しやがって。」
と、楡は腕を伸ばす。
「じゃあ、明日も5Cで待ってるからな。そろそろ桜田梅野よりうまく飛んでみろ。」
「はいっ 」「はい!」
上空を飛行機が飛んでいる。
風が吹いて木々が揺れる。
もうオオカミやオバケの気配はなかった。
早く明日になって飛びたい、訓練が待ち遠しい。
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