中等部

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「こんなに厳しくされたの、ひさしぶりだ。」 一旦渇いた涙をまた目に滲ませて能登が言う。 「春名のせいだ。」 1人1人立ち上がり尻をさすっている。 「お仕置きもまともに受けられないガキが2班に入ってくるなよ。」 比叡が、まだひとり泣いている春名の尻めがけて服を叩きつける。 「うっ!」 春名は仰向けのまま足をくくりつけられてているので動けずにいる。 「俺の練習機にいたずらしたのはお前たちじゃないかっ」 首を持ち上げて比叡を睨みつける。 「は?なんのことだよ。ヘ、タ、ク、ソ。」 伊吹と能登も春名の上着と下穿きを拾うと春名の尻に振り下ろした。 「いっ痛いっ!やめろぉ!」 「お前、8歳なのにまだこんな姿勢でお尻ペンペンされてんの。だっせぇ。」 「ガキは2班の訓練に来るんじゃねぇぞ。」 「初等部に戻れ!」 3人は半べそをかきながらも春名をバカにして精一杯の虚勢を張る。 ヘラヘラと笑いながら春名が唯一身に付けてるタンクトップを脱がせた。 「やめてよぉ!」 脱がされた反動で頭が壁にゴチンと打ち付けられる。 「いったぁ…」 既にボロボロの春名の着ていた衣服は少年同士が引っ張り合うとすぐにビリビリと破れた。 ただのボロ布となったそれを3人は春名に投げつける。 「戻ろうぜ。」 比叡が下着を履くと伊吹と能登もそれに続いた。 「くそ、お尻、いってぇ。」 「帰りに川に冷やしに行こうよ。」 「染みるだろ、やだよ。」 「ま、待って!これほどいてよ。」 出ていこうとする3人に春名が言う。 「朝までそうしてろ、バーカ。」 ハハハハ、と笑いながら3人は出ていき、バタンと扉は閉められた。 「うっふぇっ…う…ぅわあぁぁーん」 春名は堰が切ったように泣き声を上げた。 「ううっ」 しばらく思い切り泣いて落ち着いてきた春名は投げつけられたボロ布を顔に擦り付けて涙と鼻水を拭った。 ロープから足を引き抜こうともがく度に尻が痛む。 「くっ、痛い…痛いよぉ…。」 また涙が溢れてくる。 気合いを入れて身体を起こしバーを掴む。 また頭を打った。 バーに腕をかけてロープをほどいた。 足が床についた衝撃で尻に鈍痛が響く。 「痛ぁい!」
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