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「甘かった‥‥‥」
次の日も、その次の日も、俺が夜中にトイレを使う度に
あいつは来るようになってしまった。
努力はしたよ?
水飲まないようにとか、飲み会断るとか。
でもやっぱ朝までしなくて済む日ばっかじゃないじゃん?
開けっ放しですぐ出りゃいいかとか思うよね。
ひとりでにドアが閉まんだよ。
何か挟んでおけばってのもやったんだけど、幽霊って足あるんだ。
蹴っ飛ばされてみんな退かされちまって。
そうなると押しても引いても開かねぇの。
当たり前だけど鍵、中からしか掛かんねぇのに。
とんとん。
もう……いいやっ!
とんとんとんとん
カンチカチーン!
とんとんとんとん
チンコンカーン!
すととんとんとん
カンカカカーン!
ついに室内に(バチの代わりに)割り箸を置くようになった。
すっとんとんとこ
カッカッカッ!
とんとことんとこスカカカカーン!
『うるせぇ!』
ドンッ!
あちゃ~左の壁から。こいつは本物のお隣さんだ。
ドアのノックも当然のようにピタリと止まる。
明日菓子折り持って行かなきゃなぁ。
話、信じてくれっかな。
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