異界セッション

2/4
前へ
/4ページ
次へ
「甘かった‥‥‥」 次の日も、その次の日も、俺が夜中にトイレを使う(たび)は来るようになってしまった。 努力はしたよ? 水飲まないようにとか、飲み会断るとか。 でもやっぱ朝までしなくて済む日ばっかじゃないじゃん? 開けっ放しですぐ出りゃいいかとか思うよね。 ひとりでにドアが閉まんだよ。 何か(はさ)んでおけばってのもやったんだけど、幽霊って足あるんだ。 蹴っ飛ばされてみんな退()かされちまって。 そうなると押しても引いても開かねぇの。 当たり前だけど鍵、中からしか掛かんねぇのに。 とんとん。 もう……いいやっ! とんとんとんとん カンチカチーン!  とんとんとんとん チンコンカーン! すととんとんとん カンカカカーン!  ついにに(バチの代わりに)割り箸を置くようになった。 すっとんとんとこ カッカッカッ! とんとことんとこスカカカカーン! 『うるせぇ!』 ドンッ! あちゃ~左の壁から。こいつは本物のお隣さんだ。 ドアのノックも当然のようにピタリと止まる。 明日(あした)菓子折り持って行かなきゃなぁ。 話、信じてくれっかな。
/4ページ

最初のコメントを投稿しよう!

18人が本棚に入れています
本棚に追加