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それからの日々は、とても優雅だった。
仕事はすべて家臣へ任せ、自分は部屋でのんびり過ごした。
「聖女さまは一体どうされたのか?」
変わり果てた聖女を訝しむ者が出てきた。
ひそひそと陰口を叩く者まで現れた。
悪女は陰口を叩いた者がいると知ると、すぐさま調べ上げ、その者たちを罰した。
厳しい意見を言ってくる者たちを遠ざけ、甘い言葉で褒めそやしてくれる者たちだけを側においた。
その結果、口先だけで能力のない者たちだけが城に残った。
国が傾くのに、一年もかからなかった。
聖女の評判はあっという間に地に落ち、彼女は悪女と呼ばれるようになった。
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