変身〜やまとなでしこしちへんげ〜

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 「失われた…時?」  「百聞は、一見にしかずですわね。どろ〜ん」  そう言うとユンホォアの姿が、13歳くらいで中学の制服を着た兄貴になった。今のおれの姿が11歳なので、それに合わせてだろう。むかし須崎さんに「13歳の兄貴」の想像図を描いてもらったが、なかなかその時の絵と似ている。あの時は、兄貴が失踪時と同じ姿のまま戻ってくるとは思ってなかったなあ。  「いかがです?実際にはワタクシでなく、後でお兄様自身の年齢を操作しますわ。『みな君、どう?お兄ちゃん、学ラン似合うかなあ?』なーんて」  「うん。似合うか似合わないかで言うとクソ似合わないんだけど、悪くはないんじゃない?ちょっとこう、教卓の上でブチ犯したくなると言うか」  「11歳!今のあなたは、11歳ですからね?『悪くない』どころか、めっちゃ気に入っているでしょう!?」  「まあな。兄貴より身長低い状態が久々だから、ちょっと新鮮な感じかな。でも、どっちかってと圧倒的な体格差を生かして屈服させる方が…」  「言い方ァ!あなたも龍之介さんのこと、偉そうには言えませんからね?心配せずとも、成長するに従ってあなたの方が大きくなりますわ。手っ取り早く、お兄様が高校生の時くらいまで成長させます?」  「あ、ちょい待って。その前にそれぞれプラス2歳くらいで。同じ中学校に通ってる状況で、ちょっとやってみたかったことがあるんだ」  「また、下らないことでなければいいですけど…。はい、どろ〜ん」
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