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次の朝、4時半に起きて空港まで車を飛ばし、6時5分発の羽田行きに乗る。
身分証明書的なものや貴重品はすべて羽田空港のロッカーに入れる。
Blancちゃんとは10時に京王線高尾山口駅で待ち合わせだ。
俺は、その辺から来た大学生みたいな軽装に使い込んだリュックを背負い、待ち合わせの約束をした改札口に着いた。
9時47分。バッチリだ。
待ち合わせの目印に十字架のネックレスをつけている。
「あ・・・もしかして令草さん?」
めちゃ可愛い女の子に声をかけられる。
『ヤベ~~~マジ可愛いじゃん』
心臓が背骨にこだまするほど高鳴る・・・が!
どうってことない風を装って、俺は淡々と
「Blancちゃん?ごめん。待たせた?」
と、言ってみる。
「うわっ・・・ホントに来てくれたんだ。ちょっとびっくり。」
Blancちゃん、少し頬を赤らめて動揺気味。
ククククッ・・・変身効果抜群だぜ!
「僕、約束破るような人間だと思われてた?」
「そうじゃなくて・・・ほら・・・北海道に住んでるかと思ってたから」
「あ・・・そうだよな。実家は北海道だけど。今は東京の大学だから。」
「そうなんだ・・・私・・・令草さんって、もっと大人の社会人かと思ってたから・・・そっか・・・う~ん・・・あ・・・えっと・・・」
「ごめん。社会人のふりしてたかも・・・その・・・なんていうか・・・警戒されたらイヤだなと思って・・・」
「警戒?若いと警戒されるの?」
「Blancちゃんだって・・・今・・・警戒してるだろ」
「してない、してない。大丈夫。」
「あはは・・・よかった。じゃ、行こっか!」
「うん。行こ、行こ!」
こうして俺は、Blancちゃんとのデート登山に出発した。
若いって最高!
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